<マーケティング入門>初めてマーケティングに取り組む人に勧めたいシンプル思考

<マーケティング入門>初めてマーケティングに取り組む人に勧めたいシンプル思考-アイキャッチ

マーケティングの入門書というやつは巷にあふれている。僕もそのいくばくかを目にしたこともある。が、こういうものは読めば読むほど、迷宮入りしてしまうのもまた、世の常なのではなかろうか。

もちろん、入門書といわれるものを読み漁ることもあるシーンにおいては役に立つだろうし、いろいろな知識を身に着けて損になることはないかもしれない。
だが、初めてマーケティングに取り組む人がおさえる必要のあるポイントは、そんなに多くないんじゃないか、などと僕は思うのだ。

そこで今回は、初めてマーケティングに取り組む人に役立ててほしい、シンプルな考え方を示したいと思う。愛想もなにもないかもしれないが、意外とそういうところに役立つ情報は転がっていたりするのだ。

根本は「価値」:その概念ですべてを測り、提供価値を最大化する

<マーケティング入門>初めてマーケティングに取り組む人に勧めたいシンプル思考-価値について

マーケティングを組み立てるにあたり考えたいのは、「価値」の概念だ。企業活動を価値によって定義していくことが、マーケターにとって必要なスキルと言っても良いだろう。

つまり、「どんな価値を社会に対して提供するのか」が企業にとってのミッションとなり、提供できる価値の大きさが、売上や利益に反映される。売上や利益は、「どれだけの価値を提供できたか」の結果を表す指標に過ぎないのだ。

よく言われる「売上を作る」のがマーケティングの仕事だという意見を否定するつもりはない。そうした考えの人もいるだろうし、悲しいかな、日本においてはそのような考え方の企業が多くあることもまたひとつの現実だ。

だが、マーケティングにおいて売上を追いすぎるのは危険だ。提供できる価値を上回る売上には継続性や再現性が生まれないし、場合によっては詐欺扱いされかねない。売上高に対して適切な価値を提供できていないのであれば、企業として、法人として芳しい評価を得られると期待するべきではないだろう。

極端な話をしよう。売上を究極に上げる方法のひとつは、粉飾決算だ。ようは、数字をうまく改ざんし、それがバレなければ、実際の売上や提供している価値に関わりなく、一定の数字を記録することはできる。だが、その結果はどうだろうか。あなたはそのような企業の例がニュースになっているのを見た記憶はないだろうか……?

そう、一時的な売上は高まるとしても、その後に待ち受けるのは企業としての存続すら危ぶまれるブランドイメージの失墜や悪評の嵐だ。お金を得るために信頼を失ったとすれば、それは正しいマーケティングだろうか。そして、信頼を築き上げるのと、失うのはどちらが簡単だろうか。考えてみてほしい。

だからこそ、マーケターは企業活動を価値によって定義し、自社の価値を最大化することを最重要のミッションとするべきなのだ。売上や利益は、提供価値が上がれば自然と上がるはずだという立場に立って、ただひたすら、提供価値の広さと深さ――その面積を最大化すること――に励むことこそ、マーケティングを成功させるためのカギだと僕は思う。あなたはどうだろうか?

売上について難しく考える必要はない:「単価」×「顧客数」の原理を理解しよう

<マーケティング入門>初めてマーケティングに取り組む人に勧めたいシンプル思考-売上は顧客×単価

そうだ。価値だ。すべては価値に始まり、価値に終わる。それこそがマーケティングなのだ。

だが悲しいかな、この僕の言葉を理解してくれる人がどれほどいるだろうか。あなたがどれだけこのコンテンツを見、共感してくれたとしても、それを――あなたの上司やあなたの会社の経営者を含め――周りが受け入れてくれるとはかぎらない。結局、マーケターであろうとするならば、マーケティングを推進する立場にあるならば、「売上」という魔物から逃れることはできないのだ。

しかし恐れる必要はない。魔物といっても、そのしくみは単純だ。売上を構成するのは、「顧客」と「単価」でしかない。つまり、「顧客を増やす」か、「(顧客あたりの)単価を上げる」か。売上を増やすためにすべきことは、そのどちらかなのだ。顧客を横軸、単価を縦軸とし、その面積を最大化すると考えるとわかりやすいかもしれない。
逆に言えば、マーケティングを行う際には、取り組む施策が「顧客を増やすため」なのか、「単価を上げるため」なのか、どちらに重きを置くのか見極める方が良い場合が多い。新規ユーザーを獲得し顧客を増やすための方向性と、既存顧客に対するアップセルやクロスセルにより単価を上げる方向性は、アプローチが異なるケースが多いからだ。(もちろん、広く認知された結果、どちらのケースにも効く、という施策も少なからず存在するが。)

そしてこの売上を増やすためのアプローチとしてどちらを優先するべきか、どのようにリソースを割くべきかは、大きくはビジネスの状況に左右される。たとえば、ビジネスがすでに成熟しているか、成長過程にあるか、もしくは生まれたてか、といったフェーズによって取るべき方向性や施策は変わる。この、ビジネスの状況に最適なマーケティングのアプローチとは何かを考え、実行することこそ、マーケターの仕事なのだ。

「売上」という魔物からは逃れられない。だが、その魔物だけに囚われてはいけない。マーケターとして、自分がなすべきことをしっかりと見定めることができれば、成功への近道が見つかるにちがいない。

マーケティング施策を実行していくための基本:出口と入口を定義し、道をつくってつなげること

<マーケティング入門>初めてマーケティングに取り組む人に勧めたいシンプル思考-入口と出口、そして道

マーケティングとは価値の最大化であり、提供する価値に応じて売上や利益という結果がついてくる。本質はそういうことだ。そして売上を増やすことが要求されるなら、そのためには「顧客数」と「単価」のどちらかを増やせばいい。

こう考えれば、そんなに難しくはない気がしてくるのではないだろうか?世の中には数多のマーケティング理論というものや指南書というものが出回っているが、そんなものにいちいち振り回される必要はないのだ。

だが、それでも、実際にマーケティングを進めていく中では、多岐に渡る施策が実行されることになる。さまざまな施策をどのように実行するのか。ひとつの施策だけでも計画し、実行し、進捗を確認し、成果を判定…と多くのステップを踏まなければならないのに、さまざまな施策が入り乱れる現場において、どう整理していけば良いというのだろうか?

しかしこの点も、恐れる必要はない。マーケティング施策の実行にあたって重要となるのは、対象となる顧客、あるいは見込み客の入口と出口を考え、あるいは作り、入口から出口までスムーズに進めるように、道を作ってつなげること、これだけなのだ。

もう少しだけ詳しく述べよう。ほとんどのケースにおいて、まずは出口から考えるのが早いだろう。売上や顧客獲得、見込み客リストの獲得など、この部分がマーケティング部門、あるいはマーケターの目標として、すでに定められていることが多いからだ。

出口が定まれば、次は現在地を考えよう。自分がなすべきことはなんだろう?その出口に向けた、どの部分を担当するべきだろうか?この現在地から出口をつなぐ仕事が、マーケターに求められるものだ。

しかし現在地が明確でない場合もある。出口はあるが、どのように出口に向かうのか、そこに至る入口も道筋もなにもできていない、という場合だ。新規ビジネスなどであればなおさらだ。その場合は、入口、つまり集客方法を考えると良い。ターゲットがいる場所はどこだろう?ターゲットに接触するのに優れた方法は、なんだろうか?

現在地または入口と出口が分かれば、あとはその中をつないでいこう。大切なのは、歩きやすい道を作ることと、出口に向かって進みたいと思ってもらうことだ。

だがこれは言うは易し行うは難し。入口から人が入ってこない、人は入ってきてくれるが思ったとおりには進んでくれない、道があちこち分断されていて迷子が続出する、など、実際にはきれいに入口と出口ができ、道でつながっていることの方が少ないものだ。

とはいえこの、出口や現在地、入口や道でつないでいくというシンプルな形を覚えておけば、「今、何が問題なのか」を見極めやすくなるし、「自分が今、何をするべきか」を把握できるようになる。多岐に渡る施策が入り乱れるマーケティングの現場で、施策に振り回されてしまうことがないよう、シンプルに考えることを忘れないのは大切なことだ。

生兵法はケガのもと:マーケティング理論や調査分析の手法などは使うタイミングで徐々に学ぼう

<マーケティング入門>初めてマーケティングに取り組む人に勧めたいシンプル思考-シンプルに。理論や分析より、経験を。

初めてマーケティングに取り組む時、気合を入れてさまざまな入門書や理論を身に着けようとするのは悪いことではない。悪いことではないが、「生兵法はケガのもと」ともいうこともまた、忘れてはならない。

マーケティングの現場では、――最低限の知識はもちろん必要だが――単なる知識などは役に立たないことが多い。だいたい、理論通りに展開すれば成功するのであれば、マーケティングに苦労する人も企業も生まれないのだ。

だからこそ、知識をいかに応用できるかが試される。そしてそのために必要なのは、座学で学ぶ理論や分析手法、知識ではなく、シンプルに考え、本質的な課題を見抜き、その課題を解決するために行動することだ。

理論や調査分析の手法など必要な知識は、その過程において学び、実践することで習得すれば良いのだ。難しく考える必要はない。あなたがするべきことは、シンプルに考え、行動し、経験を積み、そこから学ぶ。ただそれだけのことなのだ。

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