コンテンツマーケティングで勝つために。フォーマットの特性を生かせ

<コンテンツマーケティングの手法11選>コンテンツフォーマットは正しく使い分けを:アイキャッチ

コンテンツマーケティングとは、コンテンツを使ったマーケティング手法だ。そんなことは言われなくても、あなたも私も分かっていることだ。だが、コンテンツとは何だろう?

コンテンツマーケティングを成功させるためには、コンテンツを発信するための選択肢を理解し、正しく使い分けることが重要となる。そこで今回は、代表的なコンテンツマーケティングの手法について、整理する。なお、コンテンツマーケティングの広義には紙媒体などのアナログな手法も含まれるが、ここではWeb関連の施策のみを取り上げる。

オウンドメディア(自社ブログ/Webメディア)

オウンドメディア(自社ブログ/Webメディア)の特徴

記事形式のため、ストーリーを伝えやすい
SEOやSNSでの拡散など、流通との相性が良く認知の拡大に有効
宣伝色が強まるとユーザーから敬遠される恐れがある
運営に手間がかかる

オウンドメディア(自社ブログ/Webメディア)の概要

日本において、いわゆるオウンドメディアとして広まっているものを最初に取り上げよう。こうしたブログ形式、記事形式のコンテンツは、ストーリーを伝えるのに優れている。また、現在のアルゴリズムにおいてはSEO的に優位になりやすいというのも特徴だ。

一方で、こうした形のコンテンツは、運営や制作に手間がかかるし、分野によってはメディア運営のプロフェッショナルや、一定の規模の編集部が運営する既存のWebメディアが競合となり埋もれてしまう危険がある。

成功するためには、目的・ターゲットを明確に設定した上で、社内の運営体制をきちんと構築することが必要となってくる。また、オウンドメディアは万能でも、魔法でもない。他のコンテンツマーケティングの施策を含め、全体設計を行ったうえで、オウンドメディアに適した役割を設定するほうが良いだろう。

また、運営や制作にかかる手間については、当初軌道に乗るまでや、社内のリソース不足分に対して、外注をうまく活用することでずいぶん軽減できるはずだ。ただし、会社やビジネスについて最も知っているのは、自社のメンバーであるということはお忘れなく。

ソーシャルメディア(Facebook/Twitter/Instagram/LINE/その他)

ソーシャルメディア(Facebook/Twitter/Instagram/LINE/その他)の特徴

フォロワーとの双方向のコミュニケーションが取りやすい
アカウントやポストが話題になると拡散につながりやすい
タイムラインが流れていくため、発信するタイミングが重要
フォロワーの獲得が課題になりがち
炎上リスクへの対応

ソーシャルメディア(Facebook/Twitter/Instagram/LINE/その他)の概要

ソーシャルメディアは非常に重要な施策のひとつとして活用されている。Webサイトだけでは一方通行のコミュニケーションになりがちなところを補強しやすいソーシャルメディアの性質と、低コスト(もしくは無料)のため、比較的容易に運用開始できることがその理由のようだ。

ソーシャルメディアは、世の中の動きを映し、トレンドを浮かび上がらせる。猛烈な速度でユーザーの環境や嗜好が変化する現在、そのスピードについていけるかどうかが、ソーシャルメディアの活用における鍵となっている。

また、ソーシャルメディアそれぞれについて、きちんと学ぶのはいうまでもなく重要なことだ。「SNS」としてひとくくりにできるものではない。Facebookで活発なユーザー層と、TwitterやInstagramのそれは異なるし、ユーザーのそれぞれの活用方法も異なる。

その特徴を理解しなければ、ソーシャル上の「異物」となってしまい、フォロワーの獲得や効果的な運用には至らないだろう。むしろ、企業が最も避けたがる「炎上」を生み出すことにもなりかねない。

郷に入れば郷に従え。大体、世間で話題になる投稿やアカウントは、この言葉を実践し、新たな企業イメージを発信している。ここに、成功の秘訣があるのではないだろうか?

メールマガジン

メールマガジンの特徴

情報をプッシュできる
相手に応じた情報の選択が可能
送信先のリストの獲得が課題になりがち
迷惑メールも多いため、内容をいかに読まれるかの工夫が重要

メールマガジンの概要

メールマガジンは、コンテンツマーケティングが流行する以前から比較的よく使われている手法だ。

最も大きな特徴が、こちらが届けたいタイミングで情報をプッシュできるという点だ。Web上の施策は、いかんせんプル型、つまり情報を公開しておくものの、見るタイミングはユーザー次第となってしまう。

しかし、新しい商品やキャンペーンの情報などをタイムリーに届けたい場合には、プル型の施策だけでは不十分だと感じられる場合が多いだろう。そうした場合にメールマガジンのようなプッシュ型の施策は有用だ。

また、メールマガジンの送信先の情報として、メールアドレス以外のデモグラフィックデータなどが取得できている場合には、ユーザーの行動や状況に応じて発信する情報を使い分けることも可能だ。こうして、送りたい情報を、開封や反応しやすい相手に対して送ることができれば、メールマガジンはより効果的なツールとなる。

このように、メールマガジンは他の施策と異なる特徴を持つが、一方で、メールはすでに使い古されたツールともいえ、そのことが弱点ともなっている。つまり、すでにメールを用いた情報の流通量は大きくなりすぎており、迷惑メール扱いされることや、他のメールマガジンなどの情報に埋もれてしまう可能性がある。

メールマガジンについては注意深く取り組む必要があるし、今後もこの施策が有効であり続けるかという点も慎重に判断するべきだ。だが、プッシュ型の施策として有効に活用すれば、成果が望めることは間違いないだろう。

メッセンジャーサービス(Facebook/LINE/その他)

メッセンジャーサービス(Facebook/LINE/その他)の特徴

情報をプッシュできる
相手に応じた情報の選択が可能
事例などが少なく、成功例が確立されていない
ボット、AIなどテクノロジーとの掛け合わせで今後の発展が望める
リスト獲得のハードルはメールマガジンより高い

メッセンジャーサービス(Facebook/LINE/その他)の概要

メールマガジンと似通った特徴を持っているのが、各ソーシャルメディアに紐づくメッセンジャーサービスだ。

これらはより新しいため、成功パターンが確立されていなかったり、ユーザーをより獲得しづらい傾向にあるのが現状だ。

一方で、これらの新しいサービスの領域においては、チャットボットやAIなどのテクノロジーの活用が検討されていたり、進んでいたりする。

こうしたテクノロジーの発展にあわせ、コンテンツマーケティングにおけるメッセンジャーの活用が飛躍的に進んでいく可能性もあるし、前述のソーシャルメディアの活用と連動させることで、より成果が生まれる可能性もある。

メールマガジン同様、情報をプッシュできるという特徴を持っていることを考えても、今後活用が進むことが期待できる施策といえるだろう。

事例/口コミ

事例/口コミの特徴

第三者(既存顧客)の声を打ち出せる
商品・サービスの利用イメージがつきやすい
一定の興味関心がなければ見られにくい

事例/口コミの概要

これもメールマガジンと同様に、コンテンツマーケティングが流行する以前から、営業的な効果を中心に注目されてきている手法のひとつだ。

とくに商品やサービスの効果やメリットについては、サービスの提供側が語ると大げさではないかとか、良い事ばかり並べているのではないかなどと疑いの目で見られがちだ。

だが、顧客の目線で、顧客が語った言葉は説得力があるし、実際に直面する課題や悩みを解決するうえでどのような利点があるのか、購入や利用によって得られる体験をダイレクトに伝えることができる。

ただし、そもそもあなたのサービスや商品に興味を持っていない人にとっては、他人事で終わってしまう可能性が高い。適切なターゲットに届いてこそ、威力を発揮するものだということは忘れないようにしよう。

ホワイトペーパー/eブック

ホワイトペーパー/eブックの特徴

情報を体系的にまとめて提供できる
ダウンロードをアクションポイントにできる
ダウンロードの際に顧客の情報を取得することが可能
制作の手間がかかる

ホワイトペーパー/eブックの概要

ホワイトペーパーやeブックと呼ばれる、ハウツーなどをまとめたドキュメント(PDF形式で提供されることが多い)も、重要なコンテンツの一部だ。

この形式のコンテンツは、他の手法と組み合わせることでより効果を生み出す。オウンドメディアやソーシャルメディアからホワイトペーパーやeブックに誘導するだけで、より顧客や潜在層のユーザーの興味関心を惹きつけたり、大きな価値を提供することができる。

また、ダウンロードの際にメールアドレスなどの情報を取得しやすいのも特徴といえる。これをきっかけにメールマガジンやメッセンジャーでの情報配信などに結びつけることもできるのだ。

ただこの場合は、情報を入力してでも欲しいと思われるものでなければならないし、ダウンロードして良かったと思われるものでなければ、その後につながらなくなるリスクを負うことになる。したがって、テーマの選定やドキュメントのクオリティには十分気を配る必要があるだろう。

動画

動画の特徴

テキストや静止画では伝わらない情報を伝えられる
現状、ソーシャルメディアなどで反応率が良い傾向にある
視聴してもらえると、理解が深まりやすい
視聴完了(または一定時間の視聴)をしてもらうことが課題となりがち
制作に手間や費用がかかり、専門的なアプローチが必要な場合もある

動画の概要

動画は日本ではここ数年で急速に定着してきた感がある。だがまだ日本においては、有効な活用ができたといえる例は少ないのが現状かもしれない。

動画については、Youtubeでブランドリフト計測ができるようになっているように、ブランドへの理解を促進したり、ストーリーを伝えるうえでは、他のフォーマットと一線を画す強みを持っている。伝えられる情報量が圧倒的に多いのだ。

また、ソーシャルメディアでのリーチや反応率に関しても、(今のところ)静止画やテキスト情報よりも有利なコンテンツとなっている。

だがこれも制作に手間がかかるのはいわずもがな、動画の特徴を活かした有効なコンテンツを制作するためには、自社で制作するよりも、専門の会社の力を借りる方が良いだろう。

企画から制作に至るまで、「動画ならでは」のコンテンツをどのように作るのか、その点を突き詰めなければ、費やすリソースに見合った成果を手にすることは難しくなってしまうかもしれず、そのあたりのノウハウや事例はまだ不足している手法といえるかもしれない。

もっとも、今後さらに動画が採用されるケースは拡大していくと考えられる。状況は近いうちに変化する可能性も大きい。

調査/リサーチ

調査/リサーチの特徴

マーケティングリサーチの結果を再活用できる
インフォグラフィックやPRなどと連動させることで流通が容易になる
単発でも定期でも切り口次第で実施できる
実施にあたって費用や手間がかかる

調査/リサーチの概要

調査やリサーチ結果をもとにしたコンテンツは、「一度で二度おいしい」結果となり得る。マーケティングを進めるにあたって必要なデータを得ながら、その内容をコンテンツとしても発信することができるのだ。

そしてこのタイプのコンテンツは、「自分は多数派なのか」「他の人はどうしているのか」といったことについて興味を持つ人が多いため受け入れられやすいし、PRなどと連動すれば、コンテンツの流通も容易になる。

初めての調査内容であれば、「初めて見てこんなことがわかった!」という新たな発見があるし、定期的に調査する内容であれば「これまでと比べてこうなっている」という傾向や動向の分析が価値ある情報となる。

と、良いことばかりのようだが、実施にあたってはモニターの獲得や設問設計などの課題が多いのもまた現実だ。そうした部分を専門の会社に任せることもできるが、それはそれで費用がかかる。他社でも実施しているような内容ではない、独自の内容や切り口で実施できるよう、企画することが重要となるだろう。

インフォグラフィック

インフォグラフィックの特徴

視覚的な表現により情報を伝えやすく、理解を深めやすい
オウンドメディア、調査/リサーチなど、他の手法と連動させやすい
デザインなどには専門的なアプローチが必要

インフォグラフィックの概要

インフォグラフィックは、情報を視覚的に表現することにより、分かりやすく伝えたいイメージを伝えられるという特徴がある。

最近では制作ツールなども充実しているので、使いこなせればあまり手間をかけずに制作することも可能かもしれない。だが、見づらいインフォグラフィックはコンテンツとして成立しない。そのことを考えると、デザインなどには専門家の力を借りるほうが良いケースが多いだろう。

インフォグラフィックは有用な手法だが、成果を得るためには、どんなデータ、どんな情報をどのように視覚的に表現するのか、それを見るユーザーが何を感じ、理解することが目標となるのかを事前に綿密に計画することがポイントとなるだろう。

外部Webサイト/メディア(寄稿など)

外部Webサイト/メディア(寄稿など)の特徴

影響力のあるWebサイト/メディアへの露出はブランディングに有効
寄稿依頼されるレベルの専門性や知名度が必要
掲載先や掲載時期などをコントロールしづらい

外部Webサイト/メディア(寄稿など)の概要

外部のWebサイトやメディアへの露出は、自社のもつアセットだけではリーチできないユーザー層にリーチしたり、自社ではできないブランディングが可能な機会となる。こうした形でコンテンツを発信することは、自社で取り組んでいる手法を補強するうえで重要だ。

もっとも、外部ということは、自分たちにコントロールできる領域が狭まることを意味する。そのため、内容やタイミングを始め、思うとおりにはいかないことも数多く出てくることは覚悟しておくべきだ。

また、露出方法によっては逆効果となる場合もある。掲載先の情報をしっかりと確認することや、掲載される内容について認識の行き違いなどが出ないよう、きちんとコントロールすることは忘れないようにしよう。

ウェビナー

ウェビナーの特徴

セミナーを通じて提供するような情報を場所を選ばず提供できる
講師の顔が見えるため参加者の心理ハードルを下げやすい
参加者と双方向のコミュニケーションを取ることも可能
内容によっては逆効果となるが、逆効果になった場合の効果も高い
動画と同様に制作の手間や費用がかかり、専門的なアプローチが必要な場合もある

ウェビナーの概要

商品やサービスによっては、セミナーは非常に有効なアプローチだ。セミナーを通じ実際に接することにより、信頼感を持ってもらったり、購入に至る心理的なハードルを下げたりすることが可能となる。

そして、そのセミナーをWeb上で展開するウェビナーも、同様の価値を持つ有効な手法となり得る。セミナーのように直接対面することはできない反面、時間や場所を選ばず、情報の提供やユーザーとの接触が可能となるし、システムや設定によっては、セミナー内容について双方向のコミュニケーションを取ることも可能だ。

このように、他の手法を補強することのできる手法ではあるが、一方で、内容が分かりにくい、わざわざセミナーを開くほどのものでもない、ただの宣伝である、などの場合には、逆効果となり得るし、その逆効果も高くなる可能性があるので注意が必要だ。

また、動画の場合と同様、しっかりとしたコンテンツを制作するためには、手間や費用がかかることは事前に想定しておいたほうが良いだろう。

今後の動向は?

コンテンツフォーマットは、その時のテクノロジーやトレンドにより、今後も選択肢が増えたり、有効なものが変わったりしていくことだろう。

直近で言えば、ARやVRといったテクノロジーを活かしたコンテンツや、メッセンジャーの項で述べたようなAIの活用が及ぼす影響もあるだろう。逆に、いわゆるアナログな、これまでの伝統的な施策ともいえるオフラインの手法といかに組み合わせ、連動させるかといった点も今後さらに発展が必要となる点かもしれない。

いずれにせよ、ここまで説明してきた内容はコンテンツを発信する選択肢にしかすぎず、あくまで手法だ。それぞれの特徴を踏まえたうえで、正しい目的設定のもと、使い分け、時に連携し連動することによって、コンテンツマーケティングの成功を目指そう。

カトウマモル

セキュリティエンジニア、社内SE、社内システム&マーケティング・広報担当マネージャー、コンテンツマーケティングのコンサルタントなどを経て、現在は奄美大島でリモート幽霊社員生活を満喫中。

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